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※はじめましての方は『※はじめに』をご一読下さいませ(心の自己防衛)


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『自己満足と支配と擁護との間でゆらゆら揺れてる。いつだって』
 それはいつからか理由を変えた模造の檻。


※カップル成立済みな鬼閻
※いちゃいちゃ
※じりじり
※ツン紳士×誘い逃げ(何それ)

 …告白でもちゅーでもイヤンなことでも、そこに至るまでの過程を書くのが一番楽しくて好きです(笑)

上記、大丈夫だぜ!という方は続き~よりどうぞ。




++++++++++++++







 じわりじわり囲い込む。
 見ないふり、知らない振りは一体何を封じるための予防線だったのか。
 今ではもう、考えることもできなくなった事柄についてだというのは確かだ。


【模造の檻】



「っだぁあ!!ちょ、鬼男君くすぐったいよ!」
「アンタがしろっつたんでしようが!いいから手と目を動かせ!」


 吐息が首筋に当たるのだろう、肩を震わせて身を捩る。
 そのいちいちわざとらしい動作の半分は、きっと故意と意図。
 そしてそんな仕草にいちいち反応していたら、身が持たないのを鬼男は身を持って知っている。

 ひたすら見ない振り。


(それでも離そうとも離れようともしない辺り、僕ら相当終わってるよな…)


 もぞりと首を傾けた閻魔の髪は、至近距離で鬼男の鎖骨をくすぐる。
 後ろからしっかり抱え込んでいるので、多少身動ぎされたところでその距離がひらくことはない。
 向こうとて、こちらに『お願い』してきた立場なのだ。当然離れる気などないのだろう。
 文句を言いながらも、くたり・だらりと全力をもって脱力したかのような体は、戸惑いなくこちらへと預けられている。
 建前とか虚勢とか遠慮とか、そんな余分なコーティングの剥がれ切った体は、信頼とかそんなものでずっしり重い。


 ……確かに。
 時間外に書類を突きつけた自分も意地が悪いとは思う。
 けれど、だからといって、『だっこしててくれなきゃ真面目に読んでやらないぞ!』というのは、上司としてはいかがなものか。

 どこのお子様だよお前。
 …まあそれをしぶしぶ聞く自分も自分なのだが。


 仕方ない。
 常日頃、棘で表を武装して見せてはいても、何だかんだいって自分は彼に対して根本の部分が甘くできているのだから。



「…こうしてると、なんか座椅子っぽいね鬼男君」
「お望みとあらば電気椅子にもなります」
「っだぁいいたたた!」


 調子に乗るなよ、と甘やかしへの自戒の意味も込めて着物の胸元に手を差し入れ、皮ばかりの皮膚を加減なくつねってやる。
 とたん上げられたビリビリと鼓膜を震わせる悲鳴を、うるさいですよと切り捨てると理不尽だ!とさらに喚かれたので、後頭部への頭突きで黙らせた。


「鬼男君の鬼…!」
「悪口でも何でもないですよそれ。……にしたってアンタこれ……もっと肉付きよくても罰はあたりませんよ。まな板どころかベニヤ板でしようこれ」
「あんなにペナペナじゃないよ!」


 似たようなもんだと思いますけどね。
 そう言ってするり右手を引き抜く。
 その動作にひくん、と跳ねた体は見ないふり。
 再度、定位置に戻り腕を引き締め、食らいつきたい衝動を殺すのも忘れずに。



(…理不尽はどっちだよ)



 下界では草食男子、などというのが流行って居るらしいが男なんて所詮、肉食動物。
 満たされない何かをかかえ、自己満足と支配と擁護との間でゆらゆら揺れてる。いつだって飢えている。


 口では憎まれ口。
 それでも両手はぺったりとした腹の前でしっかり交差。
 がんじからめで、鉄格子。
 けれどそれは天の邪鬼だなんて可愛らしい理由では、ない。


(辛辣だ、ツンツンだと言いますけど。誰がそうさせてるんですか全く!)


 ああ、信頼もここまで深まれば、こんなにも凶器になりえるものなんだなぁなんて他人ごとのように考えて鬼男はくすりと笑った。


 恐らくあと数分もおかぬうちに、彼の書類添削は終わる。
 手渡した報告書の出来は、それこそ句読点の位置をも採点基準にしても良い程の自信があるのだけれどまあそんな事実は些細な事だ。


 夜はまだ長い。


 露骨に誘われ早数年。
 そのくせ、こちらが手を伸ばすととたんにすり抜けるこのヘタレ不抜け腰抜け小悪魔イカを、今日という今日こそは。



 じわりじわり囲い込む。
 さて。
 この檻は一体何を封じるための予防線だったろうか。

(もう今となってはどうだっていいことだけれど)



END




+++++++++



 痺れを切らした肉食系紳士(何それ)鬼男くんが、ヘタレ乙女大王を補食にかかるの図。でした(笑)

 ちゅーもしてないのにこの甘さ…!!(鳥肌)
 甘くてじりじりしてるのを書きたかったのですが…方向性を間違えた気も。

 鬼閻の進展速度についてはいろいろ妄想はつきませんが、今回はスロー進展な長期戦ばーじょん鬼閻で。

ヘタレだからそういう空気に怖じ気づく閻魔。
 ↓
…でも本気で向こうから強引にこられればコロッと諦めてしまう感じのヘタレ(自分では良いよとは言えない。煽るけど)
 ↓
けどこの鬼男くんはツンな上に何だかんだで紳士なので、不本意ながら逃がしてあげちゃう…のでなかなか事に至らない二人
 ↓
そうこうするうちに「ああ鬼男くんはこういうもんなんだな」とすっかり安心しきった閻魔が調子に乗る
 ↓
理性の檻、崩壊(笑)

まあ、あとはもうお約束の展開なので割愛で…(笑)
有難うございました!


H21.9 べに釦
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HN:
べに釦
性別:
女性
自己紹介:
名:べに釦(べに ぼたん)
性:凹
血:B
誕:聖チョコ祭り前日

・本能のままに生きる20代の社会人(斜怪人?)
・基本的に人見知りチキン
・下手の横好きな文字書き。落描きもする
・マイナー/雑食/熱しにくいが火が点くと一瞬。そして永い
・ギャップもえ。基本的に受けっ子さん溺愛
・好きキャラをいじめ愛でるひねくれ者
・複数CPの絡むとかもう大好物。らぶ!
・設定フェチ。勝手に細かい裏設定を偽造して自家発電

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