※はじめましての方は『※はじめに』をご一読下さいませ(心の自己防衛)
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【ある日にむけて】
突発短期連載(予定)の連作、その1
※始めに
・転生ネタ+現パロ
・鬼閻。友情出演で飛鳥組
(…ということで必然的に死ネタ有)
・鬼男くん一人称
・出遅れ時期ネタちらほら
上記に加え、設定等色々パロ色が濃い目なので、雰囲気で読んでいただければ幸いです…(スイマセン)
上記、大丈夫!という方は続き~よりどうぞ。
++++++++++++++
突発短期連載(予定)の連作、その1
※始めに
・転生ネタ+現パロ
・鬼閻。友情出演で飛鳥組
(…ということで必然的に死ネタ有)
・鬼男くん一人称
・出遅れ時期ネタちらほら
上記に加え、設定等色々パロ色が濃い目なので、雰囲気で読んでいただければ幸いです…(スイマセン)
上記、大丈夫!という方は続き~よりどうぞ。
++++++++++++++
【ある日に向けて】
プロローグ
「気分はどう?」
「…よく、わからないです」
「そっか。…でも、私も…そんな感じかもしれない」
あれだけ意識していたその日は、いざ迎えてみれば実に呆気ないもので。滞りなく準備は進んでいった。
僕の魂は今日をもって、転生を迎える。
ここではないどこかへと向かうのだ。
他でもない、彼の手によって。
ぱちん、ぱちん。先ほどから、頭の中に枝分かれしている何千何万もの月日の記憶が、落とされていくのがわかる。
盆栽の枝を落とすように、穏やかに、静かに、しかし確実に。
多分、人がよくいう走馬灯というものに似ている状況なんだろうな、今の僕。
いや、似ているというより…もしかしたら、そのものずばりな状況なのかもしれない。
落とされては消えていくという行為に抗うように、花開く蕾。
浮かんでは消える記憶たちは、どれもこれも高確率で大王が居て、なんだかなぁと思いながらも、その事実がたまらなく愛おしく誇らしかった。
(…あれ、この記憶は…)
+ + + + +
「アンタはまた地獄行きの死者相手にフォーエバーして…本当に駄目大王イカだな…思考がイタいだけでなく脳まで傷んでんですか全く!!」
「イタくないよ!傷まないよ?!オレはまだまだ新鮮だよ!!」
「黙れ傷んだ刺身イカ大王」
「いっだぁあ!!ちょ、これ刺身の意味が違うよ!っていうかオレを刺し身にしてるのは君でしょう?!その爪でプスプスと…!」
「……本当の刺身にして差し上げましょうか」
「すいませんでした」
「わかればいいんです」
「……しかし…大王イカにイカ大王とか……鬼男くんさ、たまにはオレのことちゃんと名前で呼んでみようよ」
「閻魔大王さまと呼んで欲しかったらちゃんと仕事しろやることやってから言え」
「いや、そうじゃなくてさ」
「は?」
「閻魔だけで、呼んでみてもいいんじゃないの?たまには」
「はぁ?!何でそんな…」
「何でって…オレが呼んでほしいから」
「…………」
「やっぱ、駄目かな?」
「………………」
「まあ、無理には…」
「……閻魔……大王っ!」
「…ちょっと鬼男くん、大王は要らないんだけど!」
「う、煩い!…急に言われても、コッチにだって心の準備というか、都合ってものが」
「うわ顔、すんごい赤銅色……ってまさか照れてる?照れてるの?!ツンツンドライなくせに意外とさらっとド直球なこと言えちゃう君が、名前呼ぶので照れちゃうの?!」
「……悪いですか!」
「認めた…!うわぁ、何これレア!もー、かーわい…いたたたたた!!」
「黙れって言ってんだよこの乙女イカ!」
+ + + + +
(ああ、あったな、こんなこと)
結局、呼んであげられなかったままだった。
照れとか、意地とか。
その他にも…僕たちの間にある、見えないくせにそこに在る、あらゆる煩わしいものだとかが邪魔をして。
名前を呼んで、だとか。素敵な恋がしたいだとか。
そんな他愛もない日々のお願いの中に、貴方がどんな気持ちを織り込んでいたのかなんて、推測は出来ても共感は出来ない。
けれど後ろ側に隠した、本当の願いはお互いにきっと知っていた。
そして、それは口に出したとたん互いを傷付ける残酷な言葉になることも知っていた。
絶対的な真実を目の前に、もしもという仮定の話をするのは不毛でしかないのだから。
(わかってるさ、そんなことは)
だからこそ僕は、僕が出来る中で、最大限に柔らかく優しく微笑みかけてこう言う。
「大王。僕は……貴方にとっての『最後』があるのなら、それを見送るのは僕でありたいんです」
「…鬼男くん?」
「だからこれは、その過程の中の……ほんの少しの別れでしかないんですよ。大王」
帰ってきますよ、僕は。アンタのところに。
目を見開いた大王の口元が、開かれて、震えて、また引き結ばれた。
目線で、ずるいと責める大王に今更ですと目線で返す。
不毛が何だ。不毛が怖くて種が蒔けるか。
確かに、全て承知なくせに、何の根拠もない約束を最後に言霊に乗せる僕は狡猾で酷い奴だと思う。
けれどそれはお互い様だろうが。
終わりのない大王自身を嘆くならまだしも…僕すら戻ってこないものと決め付けて、諦めて。
本音を口にしないまま綺麗に終わろうとするアンタのほうが、ずっとズルイ。
「…確かにさ。君の側で終われて、君の手で還れたら。…素敵だろうねそれは」
「でもそれは君……すごーく、難しいじゃない?」
小馬鹿にしたような口調と諦めたような苦笑。
言い返そうとして、ふと声が出ないことに気がついた。
「…さあ、新しい君の始まりだよ」
その言葉を最後に、目の前に居るはずのその姿が霞んで。声と、世界が少しずつ遠くなった。
(いや、きっと遠ざかっているのは…僕の方なんだろうけど)
それでは、いってきます。
唇だけで発したその言葉に、大王が震える声で返事をしたのがわかった。
「いってらっしゃい。いってらっしゃい、鬼男くん」
「ありがとう」
「………また、ね…っ」
(ほらみろ、お互い様だった)
最後の最後に呟かれた泣きそうな言葉。
もしそれが本音じゃないと言おうものなら、帰ってきた時に真っ先にその舌を抜いてやろうと心に決めて目を閉じる。
ああ全く、終わりに考えたことまで憎まれ口だったなと思いながら、ぱちん。
最後の蕾が弾けて消えた。
(それでは、また。きっと)
Next→【2.→115】
++++++++++
突発に転生ネタ+現パロ。
鬼男くん視点で始終話が進みます。
(完全一人称のが早く書けるし書きやすい、とかそんなんじゃない…よ…!汗)
(舌抜かれろ)
完全に見切り発車ですが…
とりあえず全6話…なハズ。
H22.2.20
H22.5.29修正+記事日付移動(2/21→1/15)
プロローグ
「気分はどう?」
「…よく、わからないです」
「そっか。…でも、私も…そんな感じかもしれない」
あれだけ意識していたその日は、いざ迎えてみれば実に呆気ないもので。滞りなく準備は進んでいった。
僕の魂は今日をもって、転生を迎える。
ここではないどこかへと向かうのだ。
他でもない、彼の手によって。
ぱちん、ぱちん。先ほどから、頭の中に枝分かれしている何千何万もの月日の記憶が、落とされていくのがわかる。
盆栽の枝を落とすように、穏やかに、静かに、しかし確実に。
多分、人がよくいう走馬灯というものに似ている状況なんだろうな、今の僕。
いや、似ているというより…もしかしたら、そのものずばりな状況なのかもしれない。
落とされては消えていくという行為に抗うように、花開く蕾。
浮かんでは消える記憶たちは、どれもこれも高確率で大王が居て、なんだかなぁと思いながらも、その事実がたまらなく愛おしく誇らしかった。
(…あれ、この記憶は…)
+ + + + +
「アンタはまた地獄行きの死者相手にフォーエバーして…本当に駄目大王イカだな…思考がイタいだけでなく脳まで傷んでんですか全く!!」
「イタくないよ!傷まないよ?!オレはまだまだ新鮮だよ!!」
「黙れ傷んだ刺身イカ大王」
「いっだぁあ!!ちょ、これ刺身の意味が違うよ!っていうかオレを刺し身にしてるのは君でしょう?!その爪でプスプスと…!」
「……本当の刺身にして差し上げましょうか」
「すいませんでした」
「わかればいいんです」
「……しかし…大王イカにイカ大王とか……鬼男くんさ、たまにはオレのことちゃんと名前で呼んでみようよ」
「閻魔大王さまと呼んで欲しかったらちゃんと仕事しろやることやってから言え」
「いや、そうじゃなくてさ」
「は?」
「閻魔だけで、呼んでみてもいいんじゃないの?たまには」
「はぁ?!何でそんな…」
「何でって…オレが呼んでほしいから」
「…………」
「やっぱ、駄目かな?」
「………………」
「まあ、無理には…」
「……閻魔……大王っ!」
「…ちょっと鬼男くん、大王は要らないんだけど!」
「う、煩い!…急に言われても、コッチにだって心の準備というか、都合ってものが」
「うわ顔、すんごい赤銅色……ってまさか照れてる?照れてるの?!ツンツンドライなくせに意外とさらっとド直球なこと言えちゃう君が、名前呼ぶので照れちゃうの?!」
「……悪いですか!」
「認めた…!うわぁ、何これレア!もー、かーわい…いたたたたた!!」
「黙れって言ってんだよこの乙女イカ!」
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(ああ、あったな、こんなこと)
結局、呼んであげられなかったままだった。
照れとか、意地とか。
その他にも…僕たちの間にある、見えないくせにそこに在る、あらゆる煩わしいものだとかが邪魔をして。
名前を呼んで、だとか。素敵な恋がしたいだとか。
そんな他愛もない日々のお願いの中に、貴方がどんな気持ちを織り込んでいたのかなんて、推測は出来ても共感は出来ない。
けれど後ろ側に隠した、本当の願いはお互いにきっと知っていた。
そして、それは口に出したとたん互いを傷付ける残酷な言葉になることも知っていた。
絶対的な真実を目の前に、もしもという仮定の話をするのは不毛でしかないのだから。
(わかってるさ、そんなことは)
だからこそ僕は、僕が出来る中で、最大限に柔らかく優しく微笑みかけてこう言う。
「大王。僕は……貴方にとっての『最後』があるのなら、それを見送るのは僕でありたいんです」
「…鬼男くん?」
「だからこれは、その過程の中の……ほんの少しの別れでしかないんですよ。大王」
帰ってきますよ、僕は。アンタのところに。
目を見開いた大王の口元が、開かれて、震えて、また引き結ばれた。
目線で、ずるいと責める大王に今更ですと目線で返す。
不毛が何だ。不毛が怖くて種が蒔けるか。
確かに、全て承知なくせに、何の根拠もない約束を最後に言霊に乗せる僕は狡猾で酷い奴だと思う。
けれどそれはお互い様だろうが。
終わりのない大王自身を嘆くならまだしも…僕すら戻ってこないものと決め付けて、諦めて。
本音を口にしないまま綺麗に終わろうとするアンタのほうが、ずっとズルイ。
「…確かにさ。君の側で終われて、君の手で還れたら。…素敵だろうねそれは」
「でもそれは君……すごーく、難しいじゃない?」
小馬鹿にしたような口調と諦めたような苦笑。
言い返そうとして、ふと声が出ないことに気がついた。
「…さあ、新しい君の始まりだよ」
その言葉を最後に、目の前に居るはずのその姿が霞んで。声と、世界が少しずつ遠くなった。
(いや、きっと遠ざかっているのは…僕の方なんだろうけど)
それでは、いってきます。
唇だけで発したその言葉に、大王が震える声で返事をしたのがわかった。
「いってらっしゃい。いってらっしゃい、鬼男くん」
「ありがとう」
「………また、ね…っ」
(ほらみろ、お互い様だった)
最後の最後に呟かれた泣きそうな言葉。
もしそれが本音じゃないと言おうものなら、帰ってきた時に真っ先にその舌を抜いてやろうと心に決めて目を閉じる。
ああ全く、終わりに考えたことまで憎まれ口だったなと思いながら、ぱちん。
最後の蕾が弾けて消えた。
(それでは、また。きっと)
Next→【2.→115】
++++++++++
突発に転生ネタ+現パロ。
鬼男くん視点で始終話が進みます。
(完全一人称のが早く書けるし書きやすい、とかそんなんじゃない…よ…!汗)
(舌抜かれろ)
完全に見切り発車ですが…
とりあえず全6話…なハズ。
H22.2.20
H22.5.29修正+記事日付移動(2/21→1/15)
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自己紹介:
名:べに釦(べに ぼたん)
性:凹
血:B
誕:聖チョコ祭り前日
・本能のままに生きる20代の社会人(斜怪人?)
・基本的に人見知りチキン
・下手の横好きな文字書き。落描きもする
・マイナー/雑食/熱しにくいが火が点くと一瞬。そして永い
・ギャップもえ。基本的に受けっ子さん溺愛
・好きキャラをいじめ愛でるひねくれ者
・複数CPの絡むとかもう大好物。らぶ!
・設定フェチ。勝手に細かい裏設定を偽造して自家発電
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