※はじめましての方は『※はじめに』をご一読下さいませ(心の自己防衛)
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『だったらオレも俺流に解釈して便乗してやろうってね』
『鬼男くんが聞いたら、きっといろんな意味で怒るだろうけれど』
※方向性を間違えた節分ネタ
※勝手な偽造設定多々
※鬼閻っぽくない
なんだか話が変な方向にいきました
おかしい…にぎやかorほのぼのがかきたかったのに…
上記、大丈夫さ!という方は続き~よりどうぞ。
++++++++++++++
『鬼男くんが聞いたら、きっといろんな意味で怒るだろうけれど』
※方向性を間違えた節分ネタ
※勝手な偽造設定多々
※鬼閻っぽくない
なんだか話が変な方向にいきました
おかしい…にぎやかorほのぼのがかきたかったのに…
上記、大丈夫さ!という方は続き~よりどうぞ。
++++++++++++++
【福ノ内】
「…オレさ、人の作った行事って結構楽しくて好きなんだけど…どーも苦手なんだよね。節分って行事は」
「そうですか」
「大体、生きてきた歳の数だけ豆を食べるとかいう習わしがオレに取ってはもう軽くイジメだよねぇ」
冬と春の節目とよばれるこの日。
一見間抜けな、けれど現実的な問題について閻魔はつらつらと述べる。
歳の数。それこそ自分は、数百袋単位で流し込まなければならないわけで。
「もう、ある種の責め苦だよね」
「…何というか、豆地獄でしょうね」
豆に埋めたてられた姿が簡単に想像できますね、と呟いた鬼男に『怖いこというなよ!』と思わず閻魔は姿勢を正した。
しかも彼が言うと余計にいつか本当に実現しそうで恐ろしい。
「まあ……そもそもの正確な数値なんてとうに忘却の向こう側だったりするから…無駄な議論ではあるんだけどねぇ」
だから実行しないでね、という釘指しも込めて呟いてケラケラ笑いかけると、会話相手は盛大に顔をしかめてしまった。
(…あ、まずった)
「…っと。あ、悲観とかそんなんじゃなくてね?」
予想外に深く刻まれてしまった眉間のシワを見て、右手をぱたぱたと振り慌てて彼のその思考を否定する。
確かにあまり明るい内容ではない話題だが、言う程気にしていないのだ。
現に閻魔のその口調はどこまでも軽い。
なにも別に、己の存在を悲観したくてこんな話しているわけではないのだ。今は。
もう記憶の引きだしからも捨てられているような、途方もない過去。
それが自分なのだというただの事実を少しだけ皮肉った上での、いつもの言葉遊びをしていただけ。
(困らせたいわけじゃ、ないんだよ)
(君は優しいなぁ)
そんな閻魔の意思をきっと正しく拾ったであろう秘書の表情が、先ほどの痛み混じりの歪みからあからさまな呆れ顔へとシフトする。
チッ、と聞こえる舌打ち。
この理解の早い秘書は替わり身も随分早かった。
「…アンタは時々、いっそこっちが気を遣うぐらいに自虐無神経馬鹿ですよね」
「すまんねぇ」
「……苦手な風習ならば触れずに捨て置けばいいじゃないですか」
諦めたように、それでも一応意見を口にする鬼男の表情には『まあ言うだけ無駄だろうけど』という呆れがべったりと張り付いていて、閻魔は思わず苦笑いを浮かべた。
本当に優秀な秘書君。
この彼は良く知り、悟っているのだ。
苦手などというそんな感情をも凌駕する程に、閻魔が自他ともに認める無類のイベント事好きであることを。
便乗?しますとも。
そして、どうせなら楽しく便乗したい派だ。
なるべくなら多人数が、楽しい形で。
動機は、そんな些細な思い付き。
「……というわけで、毎年節分は鬼っ子たちの祝日にしちゃったわけですよオレってば!閻魔さま太っ腹!!」
「……何が『というわけ』なのかも何故そういう思考にいくのかも全く意味が分かりません」
淡々と。その、抑揚のない声が逆に怖い。
それでも怯まず、ふふふんと胸を張る。会話相手のリアクションが薄いのは、敢えて気にしない。
いちいち気にしていてはハートがいくつあっても足りゃしないと閻魔は経験で悟っている。
「だからぁ……鬼は外、なんだろ?だったらオレも俺流に解釈して便乗してやろうってね!」
鬼は外。
だから真面目で口うるさい部下達を、節分を口実に仕事の外に追い出した。
そして、福は内。
福…というか、まあ神には違いない自分はこうして地味にのびのびと内勤に勤しんでるわけだ。
牛頭馬頭、死神式神えとせとら。鬼以外にも部下はいる。
少なくとも、彼等抜きでも一日を廻せる程度には。
故に今この瞬間、天国・地獄・閻魔庁、それぞれの拠点には仕事をしている鬼はいないのだ。
目の前の約一名を除いて。
「……納得いただけた?鬼男くん」
「…ええ、まあ一応………てっきり僕は、どこかに出掛けて豆でもぶつけられろだとか、そんな陰険陰湿な策略からだと思ったんですけど。意外だ」
「……。君はオレをなんだと…」
「……そうですね。ふやけたイカみたいなおっさんだと思ってます」
「酷い!!」
思案するしぐさを見せて溜め息をついた鬼男に、非難めいたまなざしを送るも辛辣に切り返された。
本当に酷い!
「……ふやけてないよ、トゥルトゥルだよ!…まだ。多分。…ふやけてたまるか!」
頬の辺りを触りながら、ぶつぶつ呟きうなだれる。
さっきのはちょっと、めげた。
いかなる日にも辛辣さを忘れないのが、この鬼秘書だと知ってはいてもふやけたイカ扱いはダメージ大だった。
(鬼酷いっ……っていうか、休日な筈のになぜか自主的に仕事場にやってきている鬼男くんが仕事の鬼すぎるだけでオレは別にふやけてな……ん?)
じわりじわり。
ふと後頭部の辺りに熱い視線を感じ顔を上げ目線をずらす。
辿ったその先には、じんと熱を帯びた碧眼がこちらを睨む様にじとりと閻魔を見つめていた。
「な、なんだい?鬼男くん」
「………」
不機嫌というより、不貞腐れているに近い彼の仕草。それに困惑しながら、鬼男に向き直る。
…たまに。
いや、結構な頻度でこの彼は、こうして目線で言葉以上にストレートに感情を伝えて来ることがある。
それはもう容赦なく、がんがん突き刺さる無言の訴え。
そしてその圧力に、閻魔はどうにも弱かった。
「……アンタが詳しい理由を言わないと、僕たち鬼はいろいろ勘繰らざるを得ないんですよ」
「え?」
「何企んでるんだとか、その分余計な仕事が増えるんじゃないかとか。……一部には、まさか閻魔様にまで締め出しを食らうだなんて!…と嘆いてる者もいたし」
定休を嘆く平社員…?
なんてクレイジーな!
「……皆、何でそんなにワーカーホリックなんだい?普通仕事より休みの方が嬉しいもんでしょ?!」
「まあ普通はそうでしょうけどね」
全く、なかなかどうして頑固者だ。
せっかくの休日なのだから、ただ、楽しめば良いのに。
制定された祝日に納得がいかないから、と疑問という名の脅しをかけに出勤してきたこの秘書を筆頭に、極卒鬼達はどこまでも気真面目らしい。
幸か不幸か、君主に似ず。
(全く…仕事の鬼とはよく言ったものだよ)
…これだから全く、この子たちは。
「…とまあ理由も説明した所で。あのさ…一日くらいならね、オレだけでも何とかならなくもないからさ。今日は素直にお帰りよ、鬼男くん」
「…………」
「不満そうだね」
「……まだ、何か隠してるだろアンタ」
「さぁてね」
「……大王」
(だから、弱いんだってば!その目には…!!)
目線で言葉以上にストレートに感情を伝えて来るその目に、やっばり閻魔は弱かった。
「…あーもうっ。……なんていうかなぁ………人の信仰の、成せる技っていえばいいかねぇ」
「は?」
「この日は君たち鬼は特に下界の影響受けやすいんだよ」
マスメディア影響?とでも言うべきか。最近下界での知名度が妙に上がりだしたこの行事。
福を押し上げ押し込んで、災いとしての『鬼』を滅して、払って、排除する。
鬼は外!を合言葉に、本来の意味以上に一人歩きしだした固定概念。
「そして…君達のお仕事相手は死者。死人は死んでいても『人』だ」
まあ、まさか豆で殺されるとまでは言わないけれど。
鬼にとっては分が悪い日であることに変わりはない。
ここ数年で、業務に支障が出る程度には戦闘能力が弱まる実例が密かに報告されていたりしたのだ。実は。
「万が一にも可能性が有る限り、気をつけておいて損はないだろう?……私、君達をただの消耗品だなんて思ってるつもりはないんだから」
「………。何でアンタって、そう…腰抜けのくせに、やることが大胆で極端なんですかっ」
「仕様だよ鬼男くん!」
「威張るな身勝手馬鹿大王!」
やたら赤味の増した顔で言われても可愛いだけだ。
くすくす笑って、肩を竦めた。
「馬鹿でいいよ。君達が健やかでいてほしいと願ってなにが悪いんだい?」
(まあ、身勝手な自覚はあるけど)
だって信仰云々だなんて、実はついでのついでの言い訳。あくまで本音は、自分の勝手な思い付きなのだから。
…縁起担ぎとか、文化だとか。それらをわかってはいても、やはり少々面白くないのだ。
人の世の、鬼の扱いというものが。
鬼は外?福は内?
まあ、地域によっては、異なる習慣もあるらしいけれども大半が彼らを『邪』と見なすものばかりだ。
鬼に見立てしその感情など、腹の内に誰しもが飼っているくせに何を言うのか。
彼らは、こんなにもお堅く優秀がゆえに不器用で、自分にとってどこまでもかわいく愛しい部下達なのに。
「鬼男くんが聞いたら、きっといろんな意味で怒るだろうけれどね、」
私は案外、親バカなんだよ。鬼男くん。
秘め事を告げるように囁いて笑った。
福の内にも、不純な動機。
余計ないざこざ、鬼は外。
(…まあ、外と言われて素直に聞くほどオレの鬼は甘くはなかったって事はすっかり失念してたけどね)
立春を通り越し春真っ只中。
子供扱いするなと言葉と体とで噛み付いてきた彼が、やっぱり、どうしようもなく可愛く思えてしかたない福の内側。
END
++++++++++++
そんなわけでぐだぐた偽造な節分ネタでした。
かきたかったのは純粋なほのぼの…な筈だったんですが…。
年の数だけ…の辺りから方向性がおかしく(書出しからですか)
真面目にけれど時に馬鹿みたいに大人げなく対象を慈しむのが、親バカの定義。
大王(私)としての閻魔にとっての鬼男くん達獄卒はかわいい我が子、に近い認識であってほしいなぁという願望。
(そして年下であるが故に、受け攻め関係なく一生かわいいといわれ続ける部下組の宿命)
(歳の差カプの醍醐味)
節分…普通は悪乗り便乗させるべきですよね。ちょっと私、閻魔に夢見すぎ…!(今更だ!)
お読みいただき有難うございましたv
H22.02.03
「…オレさ、人の作った行事って結構楽しくて好きなんだけど…どーも苦手なんだよね。節分って行事は」
「そうですか」
「大体、生きてきた歳の数だけ豆を食べるとかいう習わしがオレに取ってはもう軽くイジメだよねぇ」
冬と春の節目とよばれるこの日。
一見間抜けな、けれど現実的な問題について閻魔はつらつらと述べる。
歳の数。それこそ自分は、数百袋単位で流し込まなければならないわけで。
「もう、ある種の責め苦だよね」
「…何というか、豆地獄でしょうね」
豆に埋めたてられた姿が簡単に想像できますね、と呟いた鬼男に『怖いこというなよ!』と思わず閻魔は姿勢を正した。
しかも彼が言うと余計にいつか本当に実現しそうで恐ろしい。
「まあ……そもそもの正確な数値なんてとうに忘却の向こう側だったりするから…無駄な議論ではあるんだけどねぇ」
だから実行しないでね、という釘指しも込めて呟いてケラケラ笑いかけると、会話相手は盛大に顔をしかめてしまった。
(…あ、まずった)
「…っと。あ、悲観とかそんなんじゃなくてね?」
予想外に深く刻まれてしまった眉間のシワを見て、右手をぱたぱたと振り慌てて彼のその思考を否定する。
確かにあまり明るい内容ではない話題だが、言う程気にしていないのだ。
現に閻魔のその口調はどこまでも軽い。
なにも別に、己の存在を悲観したくてこんな話しているわけではないのだ。今は。
もう記憶の引きだしからも捨てられているような、途方もない過去。
それが自分なのだというただの事実を少しだけ皮肉った上での、いつもの言葉遊びをしていただけ。
(困らせたいわけじゃ、ないんだよ)
(君は優しいなぁ)
そんな閻魔の意思をきっと正しく拾ったであろう秘書の表情が、先ほどの痛み混じりの歪みからあからさまな呆れ顔へとシフトする。
チッ、と聞こえる舌打ち。
この理解の早い秘書は替わり身も随分早かった。
「…アンタは時々、いっそこっちが気を遣うぐらいに自虐無神経馬鹿ですよね」
「すまんねぇ」
「……苦手な風習ならば触れずに捨て置けばいいじゃないですか」
諦めたように、それでも一応意見を口にする鬼男の表情には『まあ言うだけ無駄だろうけど』という呆れがべったりと張り付いていて、閻魔は思わず苦笑いを浮かべた。
本当に優秀な秘書君。
この彼は良く知り、悟っているのだ。
苦手などというそんな感情をも凌駕する程に、閻魔が自他ともに認める無類のイベント事好きであることを。
便乗?しますとも。
そして、どうせなら楽しく便乗したい派だ。
なるべくなら多人数が、楽しい形で。
動機は、そんな些細な思い付き。
「……というわけで、毎年節分は鬼っ子たちの祝日にしちゃったわけですよオレってば!閻魔さま太っ腹!!」
「……何が『というわけ』なのかも何故そういう思考にいくのかも全く意味が分かりません」
淡々と。その、抑揚のない声が逆に怖い。
それでも怯まず、ふふふんと胸を張る。会話相手のリアクションが薄いのは、敢えて気にしない。
いちいち気にしていてはハートがいくつあっても足りゃしないと閻魔は経験で悟っている。
「だからぁ……鬼は外、なんだろ?だったらオレも俺流に解釈して便乗してやろうってね!」
鬼は外。
だから真面目で口うるさい部下達を、節分を口実に仕事の外に追い出した。
そして、福は内。
福…というか、まあ神には違いない自分はこうして地味にのびのびと内勤に勤しんでるわけだ。
牛頭馬頭、死神式神えとせとら。鬼以外にも部下はいる。
少なくとも、彼等抜きでも一日を廻せる程度には。
故に今この瞬間、天国・地獄・閻魔庁、それぞれの拠点には仕事をしている鬼はいないのだ。
目の前の約一名を除いて。
「……納得いただけた?鬼男くん」
「…ええ、まあ一応………てっきり僕は、どこかに出掛けて豆でもぶつけられろだとか、そんな陰険陰湿な策略からだと思ったんですけど。意外だ」
「……。君はオレをなんだと…」
「……そうですね。ふやけたイカみたいなおっさんだと思ってます」
「酷い!!」
思案するしぐさを見せて溜め息をついた鬼男に、非難めいたまなざしを送るも辛辣に切り返された。
本当に酷い!
「……ふやけてないよ、トゥルトゥルだよ!…まだ。多分。…ふやけてたまるか!」
頬の辺りを触りながら、ぶつぶつ呟きうなだれる。
さっきのはちょっと、めげた。
いかなる日にも辛辣さを忘れないのが、この鬼秘書だと知ってはいてもふやけたイカ扱いはダメージ大だった。
(鬼酷いっ……っていうか、休日な筈のになぜか自主的に仕事場にやってきている鬼男くんが仕事の鬼すぎるだけでオレは別にふやけてな……ん?)
じわりじわり。
ふと後頭部の辺りに熱い視線を感じ顔を上げ目線をずらす。
辿ったその先には、じんと熱を帯びた碧眼がこちらを睨む様にじとりと閻魔を見つめていた。
「な、なんだい?鬼男くん」
「………」
不機嫌というより、不貞腐れているに近い彼の仕草。それに困惑しながら、鬼男に向き直る。
…たまに。
いや、結構な頻度でこの彼は、こうして目線で言葉以上にストレートに感情を伝えて来ることがある。
それはもう容赦なく、がんがん突き刺さる無言の訴え。
そしてその圧力に、閻魔はどうにも弱かった。
「……アンタが詳しい理由を言わないと、僕たち鬼はいろいろ勘繰らざるを得ないんですよ」
「え?」
「何企んでるんだとか、その分余計な仕事が増えるんじゃないかとか。……一部には、まさか閻魔様にまで締め出しを食らうだなんて!…と嘆いてる者もいたし」
定休を嘆く平社員…?
なんてクレイジーな!
「……皆、何でそんなにワーカーホリックなんだい?普通仕事より休みの方が嬉しいもんでしょ?!」
「まあ普通はそうでしょうけどね」
全く、なかなかどうして頑固者だ。
せっかくの休日なのだから、ただ、楽しめば良いのに。
制定された祝日に納得がいかないから、と疑問という名の脅しをかけに出勤してきたこの秘書を筆頭に、極卒鬼達はどこまでも気真面目らしい。
幸か不幸か、君主に似ず。
(全く…仕事の鬼とはよく言ったものだよ)
…これだから全く、この子たちは。
「…とまあ理由も説明した所で。あのさ…一日くらいならね、オレだけでも何とかならなくもないからさ。今日は素直にお帰りよ、鬼男くん」
「…………」
「不満そうだね」
「……まだ、何か隠してるだろアンタ」
「さぁてね」
「……大王」
(だから、弱いんだってば!その目には…!!)
目線で言葉以上にストレートに感情を伝えて来るその目に、やっばり閻魔は弱かった。
「…あーもうっ。……なんていうかなぁ………人の信仰の、成せる技っていえばいいかねぇ」
「は?」
「この日は君たち鬼は特に下界の影響受けやすいんだよ」
マスメディア影響?とでも言うべきか。最近下界での知名度が妙に上がりだしたこの行事。
福を押し上げ押し込んで、災いとしての『鬼』を滅して、払って、排除する。
鬼は外!を合言葉に、本来の意味以上に一人歩きしだした固定概念。
「そして…君達のお仕事相手は死者。死人は死んでいても『人』だ」
まあ、まさか豆で殺されるとまでは言わないけれど。
鬼にとっては分が悪い日であることに変わりはない。
ここ数年で、業務に支障が出る程度には戦闘能力が弱まる実例が密かに報告されていたりしたのだ。実は。
「万が一にも可能性が有る限り、気をつけておいて損はないだろう?……私、君達をただの消耗品だなんて思ってるつもりはないんだから」
「………。何でアンタって、そう…腰抜けのくせに、やることが大胆で極端なんですかっ」
「仕様だよ鬼男くん!」
「威張るな身勝手馬鹿大王!」
やたら赤味の増した顔で言われても可愛いだけだ。
くすくす笑って、肩を竦めた。
「馬鹿でいいよ。君達が健やかでいてほしいと願ってなにが悪いんだい?」
(まあ、身勝手な自覚はあるけど)
だって信仰云々だなんて、実はついでのついでの言い訳。あくまで本音は、自分の勝手な思い付きなのだから。
…縁起担ぎとか、文化だとか。それらをわかってはいても、やはり少々面白くないのだ。
人の世の、鬼の扱いというものが。
鬼は外?福は内?
まあ、地域によっては、異なる習慣もあるらしいけれども大半が彼らを『邪』と見なすものばかりだ。
鬼に見立てしその感情など、腹の内に誰しもが飼っているくせに何を言うのか。
彼らは、こんなにもお堅く優秀がゆえに不器用で、自分にとってどこまでもかわいく愛しい部下達なのに。
「鬼男くんが聞いたら、きっといろんな意味で怒るだろうけれどね、」
私は案外、親バカなんだよ。鬼男くん。
秘め事を告げるように囁いて笑った。
福の内にも、不純な動機。
余計ないざこざ、鬼は外。
(…まあ、外と言われて素直に聞くほどオレの鬼は甘くはなかったって事はすっかり失念してたけどね)
立春を通り越し春真っ只中。
子供扱いするなと言葉と体とで噛み付いてきた彼が、やっぱり、どうしようもなく可愛く思えてしかたない福の内側。
END
++++++++++++
そんなわけでぐだぐた偽造な節分ネタでした。
かきたかったのは純粋なほのぼの…な筈だったんですが…。
年の数だけ…の辺りから方向性がおかしく(書出しからですか)
真面目にけれど時に馬鹿みたいに大人げなく対象を慈しむのが、親バカの定義。
大王(私)としての閻魔にとっての鬼男くん達獄卒はかわいい我が子、に近い認識であってほしいなぁという願望。
(そして年下であるが故に、受け攻め関係なく一生かわいいといわれ続ける部下組の宿命)
(歳の差カプの醍醐味)
節分…普通は悪乗り便乗させるべきですよね。ちょっと私、閻魔に夢見すぎ…!(今更だ!)
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べに釦
性別:
女性
自己紹介:
名:べに釦(べに ぼたん)
性:凹
血:B
誕:聖チョコ祭り前日
・本能のままに生きる20代の社会人(斜怪人?)
・基本的に人見知りチキン
・下手の横好きな文字書き。落描きもする
・マイナー/雑食/熱しにくいが火が点くと一瞬。そして永い
・ギャップもえ。基本的に受けっ子さん溺愛
・好きキャラをいじめ愛でるひねくれ者
・複数CPの絡むとかもう大好物。らぶ!
・設定フェチ。勝手に細かい裏設定を偽造して自家発電
さらに濃ゆい版の詳細は※
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血:B
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・基本的に人見知りチキン
・下手の横好きな文字書き。落描きもする
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・ギャップもえ。基本的に受けっ子さん溺愛
・好きキャラをいじめ愛でるひねくれ者
・複数CPの絡むとかもう大好物。らぶ!
・設定フェチ。勝手に細かい裏設定を偽造して自家発電
さらに濃ゆい版の詳細は※
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